世界遺産 仁和寺の見どころ!京都の品格と出逢う旅

仁和寺は、京都あまたのお寺の中でも、古くからの歴史と伝統をもった特別なお寺です。

遅咲き桜の「御室桜」や「皇室ゆかり」であることなどがよく知られています。さらに『古都京都の文化財』のひとつとして、世界遺産にも登録されています。そんなスケールや品格をもつ仁和寺の見どころや歴史、魅力を紐解いてみましょう。

京都へおでかけの際にはぜひ参考にされてみてください。

仁和寺の見どころと話題3選 あの話題のビジネスも

仁和寺は春の桜の時期は多くの参拝者でにぎわいます。

また皇室出身者が、代々住職を務めた格式高い寺院です。たくさん見どころのある仁和寺ですが、ここだけは押さえてほしいというポイントを絞ってご紹介します。さらには世間をあっと言わせた、仁和寺が取り組む斬新なビジネスまでお伝えします。

仁和寺は京都を代表する遅咲き桜「御室桜」の名所

京都では、ソメイヨシノが終盤となってもまだ尽きぬ楽しみがあります。例年4月中旬になると、各地で遅咲きの桜が次々と見頃を迎えるのです。なかでも遅咲きの桜の代表が仁和寺の「御室桜」。京都の春の終わりを彩る桜として人気です。

仁和寺の御室桜

御室桜は樹高約2mと低いのが特徴であり、目の前で桜を楽しめます。中門をくぐった西側の林で約200本が咲き、背後にある重要文化財の五重塔とともに作り上げる絶景は圧巻です。

御室桜は、古くは江戸時代の頃から庶民の桜として親しまれ、数多くの和歌に詠まれてきました。花見の盛んな様子は、江戸時代の儒学者・貝原益軒が書いた、『京城勝覧』という京都の名所を巡覧できる案内書にも紹介されています。

「春はこの境内の奥に八重桜多し、洛中洛外にて第一とす、吉野の山桜に対すべし、…花見る人多くして日々群衆せり…」と記され、吉野の桜に比べて優るとも劣らないと絶賛されています。

仁和寺で皇室ゆかりの建物をみよう

仁和寺外観

仁和寺は平安時代初期(888年)に第59代宇多天皇によって創建されました。

御室御所(おむろごしょ)という別名の通り皇室と縁が深く、明治期まで皇族が住職を務めた格式高い寺院です。その面影を残す「御殿」の宮廷風建築は一番の見どころ。

歴代皇族の御座所となった御殿は、黒書院や白書院・宸殿・霊明殿などからなり、それぞれ画家・堂本印象らの襖絵や松の襖絵などで飾られています。床・欄間・違い棚などの、さまざまな意匠がみられ、御殿を結ぶ入り組んだ廊下も必見です。

仁和寺の境内を一晩独占したら「1泊100万円」!?

2018年春、仁和寺の発表した斬新なビジネスが、大変話題を呼びました。

境内の旧家屋を改築して、外国人富裕層をターゲットにした一棟貸しの宿坊をオープンさせたのです。そのお値段はなんと1泊1組限定100万円(税別)。ゲストが泊まるのは、境内にある木造2階建ての数寄屋建築「松林庵(しょうりんあん)」。1日1組限定で、最大5人まで受け入れています。

体験できるのは、ただ単に宿坊に泊まるだけではありません。歴代の住職が執務に使ったり、代々、重要な儀式が執り行われたりしてきた御殿を一晩、貸し切りにできるのです。

あらかじめ希望すれば別料金で、御殿内での雅楽鑑賞のほか、写経や生け花といった伝統文化の体験もできるそうです。なお松林庵の詳しい場所は公開されていないようで、宿泊客のプライバシーが守られています。ちなみに最初に泊まったのも、「世界的な著名人」とのこと。

そんな金額はとても出せない、という方にオススメプランがあります。

境内には一般人が利用できる御室会館という宿坊もあるのです。まだ観光客の入れない早朝の境内を、のびのびと散策ができます。1泊の料金は素泊まり6,300円、2食付き 11,300円(税込み)となっています。

皇室ゆかりの寺院 仁和寺の歴史と豆知識

仁和寺の庭園

仁和寺は 仁和2年(886年)第58代光孝天皇によって「西山御願寺」と称する一寺の建立を発願されたことに始まります。

しかし翌年、光孝天皇は志半ばにして崩御したため、第59代宇多天皇が先帝の遺志を継ぎ888年(仁和4年)に完成し、その元号をとって仁和寺となりました。出家した宇多天皇は宇多法皇として仁和寺伽藍の南西に「御室」(おむろ)と呼ばれる僧坊を建てました。そのため仁和寺は、「御室御所」とも呼ばれます。

宇多法皇が初代住職として住んだのちに明治時代に至るまで、代々皇族が歴代の門跡(住職)を務めました。

仁和寺は1467年から始まる応仁の乱により、ほとんどを兵火で焼失してしまったのです。

市民のための寺院であれば市民の力で復興できたのかもしれませんが、門跡寺院であったためそれも難しく、なかなか再建されませんでした。1634年に仁和寺第21世 覚深法親王が、当時上洛していた徳川幕府3代将軍家光に再興を申し入れ、1646年に伽藍の再建がなされました。

仁和寺はいつ世界遺産『古都京都の文化財』のひとつとして登録された?その経緯は!?


仁和寺は、1994年に登録された世界遺産『古都京都の文化財』の17構成資産のひとつです。

登録された年を見てピンと来た方はかなり鋭いですね。実は794年の平安京遷都から、ちょうど1,200年の節目に登録されました。

平安から江戸までの各時代を象徴する建造物や文化財である、17の寺社と城が選ばれています。京都府京都市の14資産、宇治市の2資産のほか、滋賀県大津市の延暦寺が含まれます。平等院や清水寺、金閣寺など、京都を代表する寺院ばかりですので、世界遺産を中心に京都をめぐるのも楽しそうですね。

ところで『古都京都の文化財』は、町並み全体が登録されているわけではないので、意外かもしれません。というのも京都では、度重なる戦乱や火災が起こったので、歴史的な町並みがあまり残っていないのです。

また多くの寺社は、一度は焼失した建造物も多いのです。ですので、必ずしも創建当時の建造物が残っているとは限りません。しかし京都の寺社は、時の権力者や、町衆と呼ばれる有力市民らの手で再建・保存され、創建当時に近い姿を残しています。そのため世界的にも、極めて高い評価を得ているのです。

仁和寺は応仁の乱の際に多くの建造物が焼失し、江戸時代に再建されています。必ずしも創建当時の建築物は残っていませんが、平安時代の伝統を受け継いでいることから世界遺産のひとつとして選ばれています。

仁和寺はご利益満載! 7つのパワースポット巡り

仁和寺の境内はかなり広大です。実は入り口から一番奥に至るまで、ところどころにパワースポットが点在しています。ここではとくにご利益のある7つのパワースポットをご紹介します。

パワースポット1 二王門のご利益 ~心を清めて心身健康~

大迫力の金剛力士像が見下ろす二王門。そこから続く「浄心の参道」へ!まずはここで魔を払い、邪念を払って浄心の道を歩きます。

パワースポット2 宸殿のご利益 ~運を開いて幸せになろう~

宸殿内部からは、二王門・勅使門・皇族門・中門・本坊表門と、5つの門の見える場所があります。5つの門を見つけて運を開いて、幸せを呼び込んでください。

パワースポット3 霊明殿のご利益 ~大きなねがいを叶えます~

ご本尊の薬師如来像は仏像の中では日本一小さな国宝です。小さな仏像様が大きな願いを叶えてくれます。

パワースポット4 金堂のご利益 ~元気で長生き~

阿弥陀三尊像をお祀りする建物は京都御所の紫宸殿(御所で最も格式の高い建物)を移築した国宝。屋根には3千年に1度浮かんでくる亀を5回も見た!という仙人像が。長寿繁栄のお守りに。

パワースポット5 水掛不動尊のご利益 ~ひとつの願いを叶えます~

一願成就の不動明王。裏山からの湧水を御不動様に掛けて心のそこから願えば、あなたの望みをひとつだけ叶えてくれます。台座の岩は菅原道真が宇多法皇を待っていた菅公腰掛岩です

パワースポット6 御影堂のご利益 ~金運アップ~

お堂の半蔀(はじとみ)に金の蝉の飾りを見つけてください。再生・ 復活のシンボルです。勝負運、金運アップのご利益があります。

パワースポット7 九所明神(くしょみょうじん)のご利益 ~すべての願いが叶います~

御室仁和寺の鬼門の守りに置かれた明神様。伏見稲荷や八坂神社 、京都中の神社9社がここに集結!お参りすればあらゆる願い事が叶うかも。九社すべてのご利益にあやかりましょう!

番外編 ~恋愛運アップ~

宸殿内部の坪庭にハートを抱いたイルカの岩が!どこにあるか探してみてくださいね。

仁和寺の基本情報(所在地・拝観時間・拝観料・アクセス)

仁和寺の所在地

〒616-8092 京都府京都市右京区御室大内33 TEL:075-461-1155

仁和寺の拝観時間

公開:3月~11月 9:00~17:00 受付終了30分前
公開:12月~2月 9:00~16:30 受付終了30分前

仁和寺の拝観料

御殿 大人:500円 中小学生:300円
桜まつり 大人:500円 中小学生:200円
霊宝館 大人:500円 高中学生:300円(16:00まで)

霊宝館開催期:春期名宝展4月1日~5月第4日曜日 秋期名宝館10月1日~11月23日

仁和寺のアクセス

京都駅から 京都市営バス26号系統「御室仁和寺」下車(約40分)
四条河原町から 京都市営バス10, 59号系統「御室仁和寺」下車(約50分)
三条京阪から 京都市営バス10, 59号系統「御室仁和寺」下車(約40分)

思い立ったら仁和寺で京都の品格に触れてみる

仁和寺の全体像

仁和寺の広い境内は風雅で歴史を感じさせてくれる風景にあふれています。

春の御室桜で名を馳せるお寺ですが、秋の紅葉も見応えがあります。その時期以外にもかきつばた・梅・つつじなど四季の草花が楽しめますし、思い立ったときに訪れたい品格ある佇まいをもつ寺院です。

ぜひのんびりと散策してみることをオススメします。

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