実は奥が深い!銀閣寺の見どころを徹底解説!

実は奥が深い!銀閣寺の見どころを徹底解説!

「銀閣寺って地味なイメージ…」
「銀閣寺をより楽しめるように予習したい!」

京都の有名観光スポットといえば、多くの人が金閣寺と並んで「銀閣寺」も思い浮かぶことでしょう。しかし華やかな金閣寺や八坂神社ほど、具体的な見どころを押さえている人は、意外と少ないのではないでしょうか?

そこでこの記事では、実は奥が深い銀閣寺の見どころをご紹介します!実際に行く時に必要なアクセスや周辺スポットといった情報も記載しているので、銀閣寺観光はこちらを読めばバッチリです!

まずは、銀閣寺の見どころを簡単にご紹介

銀閣寺の全貌風景

そもそも銀閣寺とは?

銀閣寺とは臨済宗相国寺派の寺院で、正式名称を「慈照寺(じしょうじ)」といいます。私たちが聞きなれている「銀閣寺」はいわゆる俗称なのですね。室町幕府第8代将軍の足利義政が、別荘として建てたのが銀閣寺の始まり。

美を探求し建立に尽力した義政ですが、完成を見ないまま病で死去してしまいます。没後、遺言によって、臨済宗の寺院となり、義政の法名・慈照院にちなんで「慈照寺」と命名されました。

金閣寺とは対照的!わびさびの銀閣寺

銀閣寺と聞けば、誰もが金閣寺もセットで思い浮かぶことでしょう。金箔できらびやかな金閣寺とならんで、銀閣寺もさぞ華やかな銀箔の寺院だろうとはじめは思いますよね。しかし銀閣寺は、金閣寺とは対照的な「わび・さび」の寺院です。

銀閣寺が質素に作られているのは、戦で疲弊した京都の経済を反映しているともいわれています。ムダなものを排除し、質素でありながらわびさびの美しさを極めた銀閣寺は、東山文化の象徴とされる見どころ満載な寺院なのです。

銀閣寺は国内外で認められる美しさ!

1994年(平成6年)、銀閣寺は「古都京都の文化財」の一部としてユネスコ世界遺産登録されました。他にも文化財保護法によって、1952年(昭和27年)には庭園が特別史跡および特別名勝に指定、1951年(昭和26年)には観音殿が国宝に指定されています。

このように、国内だけでなく世界からも歴史的価値があると認められている銀閣寺。幸運にも銀閣寺を訪れる機会が得れたならば、日本の誇れる文化をじっくり感じてください。

銀閣寺

銀閣寺の豆知識や七不思議7選

銀閣寺の見どころを、豆知識や七不思議をまじえてご紹介します!

実際に参拝するときには、これらのポイントを知っておくと、さらに楽しく見て回れますよ。

1.銀閣寺という俗称の由来

まずは銀閣寺という名前の謎。

なぜそう呼ばれるようになったのか、はっきりとはわかっていません。金閣寺の金箔と同じく、かつては銀閣寺も銀箔を貼られていたからという説もありましたが、銀箔が貼られていた痕跡のないことが近年科学的に証明されました。

もしくは銀箔を貼る予定であったが、なんらかの理由で貼れなかったという説。さらに白川砂という反射性の高い砂を敷いた庭園が、月明かりに照らされて銀色に見えるからという説。謎は深まるばかりです。

2.銀閣寺垣

銀閣寺の垣画像

門を入ってすぐに現れるのが、銀閣寺垣。

総門から中門までの約50mにわたって、地面から石垣、竹垣、椿の高さ約5mの生垣があります。この整然とした背の高い銀閣寺垣は、まるで生垣で迷路を作るヨーロッパの古典的な庭園を彷彿させます。

銀閣寺の垣 横から画像

あるいは外敵から身を守るため、中を見られないため、といった砦のような要素とも捉えれますね。現代では、この銀閣寺垣によって、外界の喧騒を遮断し、厳粛で静寂な空間を醸し出しています。一歩入った瞬間から、気持ちも静まり心が落ち着くでしょう。

3.義政の時代から現存するのは観音殿と東求堂(とうぐどう)のみ

東求堂の画像

義政は自らの美意識をすべて銀閣寺に注ぎ込み、数多くのものを造営しましたが、現存するのは東求堂(とうぐどう)と観音殿(かんのんでん)ふたつのみです。他は15代将軍義昭のとき、戦によってことごとく消失してしまいました。

観音殿がいわゆる「銀閣」で、金閣寺の「金閣(舎利殿)」、西本願寺の「飛雲閣」とともに京都の三閣と呼ばれています。東求堂は本来阿弥陀堂として建てられ、仏教の経典に由来して命名したと言われており、義政の仏教思想が垣間見える遺構となっています。

4.銀閣寺と月との関係

方丈(本堂)の前にある砂で作られた向月台と銀砂灘(ぎんしゃだん)は、今では銀閣寺の象徴となっていますね。

向月台(こうげつだい)の画像

向月台(こうげつだい)は、砂を円錐に盛り上げて頂部を水平にならした円錐台形の砂盛りで、高さ約180cmと大人の背丈以上もあります。銀砂灘(ぎんしゃだん)は、砂を約6cmの段に盛り上げて表面に縞模様が描かれた平らで広い砂盛りです。

向月台の頂部に座って月待山の、のぼる月を待っていたという説や、銀砂灘は月の光を反射させて方丈(本堂)を照らす役割があるという考えがあります。明確な役割や造られた理由はわかっていません。いずれにせよ月とは深い関係がある様子の銀閣寺。美しいだけでなく非常にロマンチックですね。

5.銀砂灘はまるでモダンアート

銀砂灘が描く縞模様は、波を連想させる美しい芸術品と言えるでしょう。

世界的芸術家の岡本太郎が「まるでモダンアートだ」と京都の寺社仏閣で唯一絶賛したのも、銀閣寺の銀砂灘です。銀砂灘が造営されたのは江戸時代になってからと考えられていますが、現代モダンアートにも引けを取らない芸術品が、はるか150年以上前に造られていたことにはおどろきますね。

銀砂灘(ぎんしゃだん)の画像

6.銀閣寺一番のビュースポット、錦鏡池と龍背橋

観音殿の錦鏡池画像

観音殿(銀閣)の前に広がる錦鏡池(きんきょうち)と、それを二分するようにかけられた龍背橋(りゅうはいきょう)。

龍背橋から見る錦鏡池に映る銀閣は、境内随一の美しいビュースポットです。オススメの時間帯は朝。澄んだ空気と厳かな静けさの中の美しい景観は早起きしてでも見る価値は十二分にあります。

7.袈裟型手水鉢

方丈(本堂)と東求堂をつなぐ渡り廊下の傍らにある袈裟型手水鉢。

花崗岩で作られた立方体の手水鉢で、市松模様のような線が刻まれています。その様子が、僧侶の袈裟の文様に似ていることから袈裟型手水鉢と呼ばれるようになりました。斬新なデザインから銀閣寺型手水鉢と呼ばれ流行し、各地でこれを模した手水鉢が作られたと言われています。

銀閣寺の拝観時間や料金、主要アクセスを押さえよう

銀閣寺へのアクセス

銀閣寺は、京都の北東(右上)、五山送り火の大文字で有名な如意ヶ嶽のふもとに位置しています。最寄り駅は京阪「出町柳駅」。しかしそこから銀閣寺まで徒歩30分かかってしまうのです。

そこで京都在住の筆者がオススメするアクセスルートを主要観光地別にご紹介します!乗り換えなしで一本で行けるので簡単ですよ!

下記のいずれも、銀閣寺の最寄りバス停「銀閣寺道」or「銀閣寺前」で下車

京都駅から 市バス「京都駅前」から5,17,100
四条河原町から 市バス「四条河原町」から5,17,32,203
清水寺から 市バス「五条坂」or「清水道」から100
平安神宮から 市バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」から5,32, 100

ポイント! なお嵐山や金閣寺は、銀閣寺から遠いので、同じ日に公共交通機関で回るのはオススメしません。京都は地図で見るより広いので、効率よく観光し体力を温存することもポイントです。

銀閣寺の基本情報

ここで、銀閣寺の基本を確認しましょう。
年中無休で拝観可能、季節ごとに特別拝観もあるので、行く前には公式ウェブサイトをチェックしてみてくださいね。

拝観時間 夏季(3月1日~11月30日)午前8:30~午後5:00
冬季(12月1日~2月末日)午前9:00~午後4:30
拝観料 大人(高校生以上): 500円
小・中学生:300円
お休み 年中無休
駐車場 近隣の京都市銀閣寺観光駐車場かコインパーキングを利用
住所 〒606-8402 京都府京都市左京区銀閣寺町2
電話番号 075-771-5725(寺務所)
公式ウェブサイト https://www.shokoku-ji.jp/ginkakuji/

合わせてチェックしたい!銀閣寺のお土産や周辺の観光スポット

お土産は銀閣寺の表参道でゲット

銀閣寺の表参道にはたくさんのお店が立ち並び、楽しい観光通りです!。京都定番の八つ橋はもちろん、インスタ映えするチョコレートバーのお店も。

よーじや銀閣寺店は、数寄屋造りの日本家屋を改装した京都らしい店構えで、カフェとショップが併設しています。ベルアメール京都別邸銀閣寺店は、コーティングがインスタ映えすること間違いなしのショコラバーが有名です。

哲学の道でゆったりとした時間を

哲学の道画像

言わずと知れた哲学の道。春には桜、初夏にはホタルの名所としても有名です。

哲学の道画像2

全長2キロにおよぶ哲学の道は、かつて哲学者がさまざま思案しながら歩いたことに由来していると言われています。小川に沿った緑豊かな散歩道で、観光で疲れた心と体をリフレッシュできますよ。

哲学の道画像3

わびさびの美しさが際立つ銀閣寺。

背景にある歴史や由来、いまだ謎に包まれていること…ロマンを感じますね!これらを押さえて銀閣寺を訪れれば、見ごたえたっぷり楽しめることでしょう。一度行ったことがある方も、この記事を踏まえて再訪してみるのもよいのではないでしょうか。

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