夏にあじさいやハスが咲き誇る京都・三室戸寺の見どころを紹介!

京都 三室戸寺

京都には美しい自然や花を見られる寺社仏閣が非常に多いです。

中でも宇治市にある三室戸寺は、庭園内に1万株が植えられているあじさいが、梅雨の時期に美しい姿を見せることから「あじさい寺」の異名があります。加えて三室戸寺にはハスやツツジ、宝勝牛など見どころも多いです。

今回はあじさいで有名な三室戸寺の見どころをご紹介します。

もくじ

一万株が咲き誇る!三室戸寺が誇るあじさいの花々!

宇治市にある三室戸寺(みむろとじ)は、境内に1万株のあじさいが植えられていることから、「あじさい寺」の異名で有名です。梅雨の時期になると、一斉に開花した姿を見ようと大勢の参拝客が訪れます。三室戸寺最大の見どころであるあじさいについてご紹介しましょう。

境内の広大なあじさい園「与楽苑」にて見られる

三室戸寺のあじさいは、山門から境内に入って右側に広がるあじさい園「与楽苑」で見られます。与楽苑は1989年に、「昭和の小堀遠州(江戸時代に活躍した名作庭家)」の異名で知られた中根金作氏が作ったものです。

広大な庭園内には、西洋あじさいや柏葉あじさいなど約50種1万株のあじさいが植えられています。見頃は6月から7月にかけての時期で、一斉に開花する様子は美しくも壮観さを感じられるものです。

なおあじさい園は、あじさいの開花時期限定で開放されます。2021(令和3)年については6月1日から7月11日が開園日です。

見頃の時期には特別拝観でライトアップも開催

また三室戸寺では、あじさいの開園時期に合わせて特別拝観でライトアップも行われます。ライトアップの日時は、あじさい園が開園する期間の土日19:00~21:00です。

三室戸寺自体が宇治市中心部の北に位置する閑静な寺院である分、夜間のライトアップも静かな雰囲気の中で行われます。各所に設けられた行灯のライトがあじさいの花を照らす様子は、幻想的かつ優雅です。夜間のデートや家族連れでの拝観も忘れられないひと時になるでしょう。

ハート型のあじさいには恋愛のご利益がある

ハート型のあじさい

三室戸寺のあじさいでひと際人気の高いものが、ハート型のあじさいです。実際にハート型のあじさいを見つけたり、撮った写真をスマホの待ち受けにしたりした人は、恋愛が叶うとSNSで話題になっています。あじさい園の中でもハート型あじさいがある場所は人気が高い分、混雑しやすいほどです。

ちなみにハート型あじさいは、あじさいの花が雨の影響で形を変えやすいことから、見られる場所も毎日のように変わります。訪れる日によって見られる場所が変わるため、探す際のワクワクした気分にも浸れるでしょう。

あじさいパフェで有名な期間限定お食事処「花の茶屋」

花の茶屋スイーツ

与楽苑の敷地内には、春から夏の時期限定で営業するお食事処「花の茶屋」もあります。周りをさまざまな花に囲まれた場所にある分、スイーツをいただきながら安らいだ時間を過ごせるでしょう。とくにあじさいの開花時期は、多くの拝観客で非常に賑わいます。

メニューはすべてで16種類です。中でもあじさいパフェは、てっぺん部分にきんとんやゼリー、抹茶クッキーなどを使って梅雨の時期に咲き誇るあじさいの花を表現しています。加えてグラスの中も、宇治抹茶のアイスや寒天が入っているため、季節感と同時にお茶で有名な宇治らしさも味わえるでしょう。

あじさいパフェ以外にも抹茶や茶そばも用意されているため、宇治のお茶を使ったグルメが堪能できます。

ハスやツツジなども一緒に

三室戸寺のハス

三室戸寺ではあじさい以外にも、ハスやツツジが美しく咲き誇ることで有名です。ハスは本堂の前の花壇に100種250株が植えられており、あじさいとほぼ同じ時期に花を咲かせます。ハスは仏教を象徴する花であるため、本堂を背景に咲き誇るさまは極楽浄土を表すかのように感じられるでしょう。なお7月のハス酒を楽しむ会も、三室戸寺では有名な行事です。

一方ツツジについては、4月から5月にかけて与楽苑内で咲き誇ります。すべてで2万本も植えられており、関西随一の規模です。花の色もピンクや白、紫であるため、美しく艶やかな光景を目にできます。

三室戸寺の花々は、全体的に4月から7月が最大の見どころです。気温が高くなって行楽に適した時期に咲き誇るため、家族や友人と一緒に見に行くと楽しい思い出を作れるでしょう。

訪れたら必見!三室戸寺の狛牛「宝勝牛」

三室戸寺の見どころは境内に咲く花々だけではありません。本堂付近には狛犬ならぬ狛牛が安置されており、祈願しながら触るとご利益があるとされています。

三室戸寺の宝勝牛

ご利益は勝運・財運・運気上昇

狛牛は「宝勝牛」と呼ばれ、後で触れる農夫夫婦の出世物語から勝運や財運、運気上昇のご利益で有名です。牛の像の口に入っている石の玉をなでながら祈願すると、運が開けるとされています。

平成の横綱として有名な若乃花・貴乃花兄弟も現役時代にお参りし、相撲界で活躍しました。2人にもたらされた勝利のご利益を考えながら祈願すると、人生のさまざまな勝負事や苦難をも乗り越えていけるでしょう。ちなみに像のすぐ隣には、若貴兄弟の残した手形があります。

ご利益は地元農夫の出世物語がいわれ

宝勝牛にまつわるご利益は、三室戸寺に伝わる地元農夫の出世物語が関係しています。出世物語の内容は、以下のようなものです。

宇治に貧しい農夫の夫婦が暮らしており、彼らにはようやくの思いで買った病弱な子牛がいました。夫婦は子牛を丈夫に育てようと、三室戸寺に連れていき境内の草を食べさせます。

ある日子牛が口の中から丸いものを吐き出すと、夫婦は大事にとっておくことにしました。一方牛はたくましく成長し、三室戸寺に安置されている観音様のご利益のおかげとみなされるようになります。やがて闘牛勝負で相手の牛を打ち負かせた農夫は、賞金を元に商売をはじめて大金持ちになったという内容です。

お腹にあるガラスの中には奉納された牛の像が

宝勝牛の像はお腹に丸いガラスケースがあり、中をのぞいてみると小さな牛の像が入っています。牛の像は出世した農夫夫婦が、観音様への感謝の気持ちに奉納したとされるものです。

じっくり注意深く見てみると牛の顔が見えるため、宝勝牛への祈願と合わせてのぞいてみるとよいでしょう。

近くには狛蛇や狛兎の像もある

三室戸寺には宝勝牛以外にも、狛蛇や狛兎の像もあります。狛蛇の像はハスの花壇の手前にあり、福の神様である宇賀神を表したものです。頭が老人で体が蛇の姿として表現され、触る部分によってさまざまなご利益があります。

三室戸寺 狛蛇の像

耳を触れば福が来て、顎髭の部分を触れば健康長寿が叶い、しっぽを触れば金運に恵まれるというものです。最近幸運を感じている人も運が悪いと思っている人もぜひ触ってみるとよいでしょう。

一方狛兎は本堂の前、宝勝牛の像の向かいにあります。「福徳兎」と呼ばれる像で、仁徳天皇の弟・菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)が、宇治にやってきたときに案内したとされるウサギがモチーフです。穴の中に卵型の石があり、お願いしながら窪みに置いて立てられたら運が開け、足腰が強くなるとされています。

福徳兎

三室戸寺には宝勝牛を含め、3つものご利益スポットがあるため、お参りの際にぜひ立ち寄るとよいでしょう。

特別な種類が多い!三室戸寺の御朱印を徹底解説!

最近ではさまざまな人の間で御朱印集めがブームです。奈良時代の終わりから1000年以上の歴史がある三室戸寺でも、特別な種類を含めいろいろな御朱印があります。歴史ある寺院の御朱印ならぜひ手に入れたいですよね。三室戸寺の御朱印について解説していきます。

ご本尊・千手観音の御朱印

三室戸寺の御朱印で最も一般的なものが、ご本尊である千手観音にまつわるものです。墨書として「奉拝 大悲殿 三室戸寺」と記されています。「大悲殿」は「観音菩薩像を安置した建物」という意味です。

一方印も3種類押されています。右から「西国第十番」・千手観音の梵字・「三室戸寺」となっており、「西国第十番」は三室戸寺が「西国三十三所の第10番霊場」という意味です。

普通の御朱印にはほかにも御詠歌を記したものもあります。先ほどの墨書の代わりに、「夜もすがら 月もみむろど わけゆけば 宇治の川瀬に たつは白波」と記されているのが特徴です。なお押されている印は、普通の御朱印と変わりません。

ちなみに御朱印の納経料は、以下に紹介する種類も含めてすべて500円です。

色鮮やかな特別御朱印が4種類!

三室戸寺には色鮮やかな特別御朱印が4種類あります。墨書の周りにあじさいやつつじなどの花々の印が押されている点は、いかにも三室戸寺らしいです。墨書は以下のようになっています。

・松尾芭蕉の句:「山吹や 宇治のほいろの 匂ふ時」
・与楽:「百花 与楽」
・無功徳:「常念 無功徳」
・浮舟:「宇治十帖 浮舟」

なお最後の浮舟の御朱印は、境内に源氏物語の宇治十帖に登場するヒロイン・浮舟の古蹟のあることが由来です。花々の印が目立つ特別御朱印の中でも、浮舟のものだけは右側に浮舟、左下に船に乗る浮舟と匂宮(宇治十帖の主人公)のデザインの印が押されています。

夏から秋にかけて季節限定の御朱印も!

ほかにも季節限定の御朱印もあるため、時期を絞って狙ってみたいところです。8・9月のものと10・11月のものの2種類があり、以下のようになっています。

8・9月限定の御朱印:
・墨書「有楽」、左上と右下に朝顔のデザイン
・墨書「秋月」、左上に月を眺めるウサギのデザイン

10・11月限定の御朱印:
・墨書「秋月」、左上に月を眺めるウサギのデザイン
・墨書「三室紅楓」、左上や右側に紅葉のデザイン

夏から秋にかけての季節感を得られる御朱印です。8~11月に拝観したら、ぜひ求めてみるとよいでしょう。

オリジナル御朱印帳について

多くの寺社仏閣ではオリジナルの御朱印帳もあります。三室戸寺の御朱印帳は、表紙の部分のほとんどがあじさいなど花々の柄であり、左側にタイトルを記入する白紙の部分のあるのが特徴です。花が咲き乱れることで有名な三室戸寺らしさが表現されているといえるでしょう。納経料は1,000円になっています。

御朱印・御朱印帳をいただける場所・時間

三室戸寺の御朱印や御朱印帳がいただける場所は、本堂の手前左側にある納経所です。御朱印は納経所左側の受付にて、御朱印帳は右側の売店内でいただけます。

御朱印や御朱印帳をいただける時間は、4~10月が8:30~16:00、11~3月が8:30~15:30です。受付の終了時間が、拝観終了30分前である点に注意するとよいでしょう。

宇治らしいグルメも!三室戸寺周辺のランチスポット3選!

三室戸寺であじさいなどを堪能したら、周辺にあるランチスポットで食事したいですよね。三室戸寺の周辺にはオススメのランチスポットが3ヶ所あり、宇治らしいグルメを味わえます。

宇治茶で作ったそばやパフェが大人気の「伊藤久右衛門 宇治本店茶房」

最初にご紹介するのが、三室戸寺から歩いて20分、京都府道7号線沿いにある「伊藤久右衛門 宇治本店茶房」です。お茶で有名な宇治らしく、茶そばや抹茶パフェなどお茶をふんだんに使ったメニューが揃っています。

オススメは抹茶そばで、抹茶色のそばににしんの甘露煮を載せたものです。京都の郷土料理であるにしんそばと抹茶の風味を同時に味わえます。お茶の葉の佃煮が付いてくる点も大きな特徴です。

抹茶パフェも抹茶のロールケーキや団子、わらび餅など抹茶を素材としたスイーツが多く載っており、最初から最後まで抹茶尽くしを味わえます。

外観もデザートもインスタ映え間違いない「Café AINA」

次にご紹介するお店が、三室戸寺界隈で人気のハワイアンカフェである「Café AINA」です。三室戸寺から15分ほど歩いたところにあり、外観や内装がハワイアンにふさわしく淡い青色になっています。

メニューはイチゴなど季節限定の果物を使ったパンケーキなどです。パンケーキの周りには草花の飾りもあるため、インスタ映えは間違いないでしょう。内部も落ち着いているため、三室戸寺にお参りした際ゆったりするにはオススメのカフェです。

宇治界隈で大人気のそば店「しゅばく」

宇治市中心部に近い宇治橋のほとりにあります。宇治界隈でも非常に人気があり、本格的な十割そばを食べられるのが売りです。

温かいものも冷たいものもそば本来の風味を味わえます。加えてそば自体が細い一方で腰が強めであるため、歯ごたえもしっかり味わえるのも魅力の1つです。そばに合わせて作った日本酒もあるため、昼間から飲んでも大丈夫そうであればお供に味わってみるとよいでしょう。

拝観時間やアクセスなど三室戸寺の基本情報を解説!

三室戸寺に拝観するには、事前に拝観時間やアクセス手段などを知っておくと便利です。最後に三室戸寺の基本情報をいろいろご紹介しましょう。

三室戸寺正門

三室戸寺の拝観時間

まず三室戸寺の拝観時間は、

4~10月 8:30~16:30
11~3月 8:30~16:00

※なお受付時間は閉門時間の30分前となっています。

※また年末の12月29~31日(2020年は28日から)と、8月の13~15日は拝観できません。ほかにも毎月17日には宝物館が9:00から開館となり、20分間拝観できます。

三室戸寺の拝観時間の目安

三室戸寺を拝観する際、必要な時間の目安が気になる人もいますよね。三室戸寺は本堂やあじさい園などをじっくり見て回っても30~40分程度で十分見て回れます。境内もあまり広くはないため、とくに宇治にあるほかの観光名所にも時間を掛けたい人にもオススメでしょう。

なおライトアップなどで拝観する場合は、ハート型あじさいの場所で混雑も見られます。ただ混雑はあっても1時間あれば大丈夫です。

三室戸寺拝観の料金

三室戸寺の拝観料金は、あじさいなどのシーズンでなければ大人500円、小人300円となっています。あじさい園が開園する時期は料金が変わり、大人800円・小人400円です。ライトアップの場合も拝観料金は変わりません。毎月17日の宝物館拝観の場合は、別途500円必要です。

一方障害者手帳を持っている方への割引は残念ながらありません。ほかの人と同じ料金が適用されます。

京都市中心部から電車で行ける三室戸寺へのアクセス

三室戸寺は京都市の中心部から電車で行ける場所です。また電車以外にも、バスや自家用車でもアクセスできます。

京都駅などから電車でアクセスする場合

京都駅から電車でアクセスする場合は、まずJR奈良線で隣の東福寺駅に移動し、京阪線の大阪方面に乗り換えです。京阪特急などで中書島駅まで移動して京阪宇治線に乗り換え、終点の1つ手前である三室戸駅で下車します。なお京都市の中心近くにある四条河原町からの場合は、祇園四条駅から中書島駅を経由するだけです。

三室戸駅までの所要時間は、京都駅からは約35分、祇園四条駅からは約30分となります。一方運賃は京都駅からは460円、祇園四条駅からは310円です。三室戸駅からは徒歩約15分でたどり着けます。

バスやタクシーを利用する場合

三室戸駅から歩くのがしんどいという人もいますよね。もし極力近くまでバスで行きたい場合は、JRや京阪線の宇治駅からバスを利用するとよいでしょう。

いずれの駅からも京都京阪バスの40・40A系統に乗車し、「門前(もんのまえ)」バス停で下車します。バス停から三室戸寺まで徒歩約8分です。乗車時間はJR宇治駅から約11分、京阪宇治駅から約5分で、運賃は210円になります。

なおあじさいのシーズン時には、臨時バス「あじさい号」で三室戸寺まで直行可能です。10時台から15時台まで運行されます。

また三室戸寺へはタクシーでもアクセス可能です。京阪宇治駅からであれば所要時間7分で運賃が約750円、JR宇治駅からであれば所要時間約10分・運賃約900円となります。

遠方から車を利用する場合と駐車場情報

遠方から自家用車でアクセスする場合、最寄りのインターは宇治東インターか宇治西インターです。東京や名古屋方面からであれば宇治東インターを、大阪方面からであれば宇治西インターを利用するとよいでしょう。三室戸寺までは、宇治東インターからは約3分、宇治西インターからは約10分です。

駐車場は2ヶ所用意されており、すべてで300台ほど収容できます。ただし時期によっては1ヶ所閉鎖されているため注意が必要です。利用可能時間は8:30~16:30、駐車料金は1につき500円になります。

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